スポーツを通じて、人に感動や希望を与えられる選手になりたい。
高瀬 沙羅
Takase Sara
女子ソフトボール
- 1998年
- 富山県魚津市出身
- 2017年
- 富山県立滑川高等学校卒業
- 2019年
- 第8回東アジアカップに大学女子選抜として出場・優勝
- 2020年
- 全国大学選抜女子ソフトボール選手権大会優勝
- 2021年
- 中京大学スポーツ科学部卒業
- 2021年
- 株式会社日立製作所入社(予定)
Q1.スポーツに関するバックグラウンドを教えてください。
小さい頃から身体を動かすことが大好きでしたし、いろいろなスポーツに興味がありました。小学生の頃は様々なスポーツを経験できる地域のスポーツクラブに入っており、陸上競技や柔道などを体験しましたし、毎日お昼休みになるとダッシュで体育館に向かい、男女対抗でドッジボールをしたものです。ソフトボールを始めたのは小学3年生の時。足が速かったので仲の良かった友達から誘われたことがきっかけです。それからは競技スポーツはソフトボール一本に絞り、ソフトボール漬けの毎日を送ってきました。
Q2.ソフトボールや勉学とどのように向き合ってきましたか。
中学校でも高校でも当然のようにソフトボール部に入部したのですが、どちらもソフトボールと勉学を両立するのは大変なことでした。特に高校に入学してからは部活動の練習がハードになり、練習が終わって家に帰るのは遅い時間ですし、疲れて勉強に身が入りません。それでも進学を考えていたので必死で勉強しました。私は実は中京大学のスポーツ実技型推薦入試を受けたのですが、現代文が苦手で落ちてしまいました。それからは数学と英語を集中的に勉強し、一般入試A方式【2教科型】で合格できました。
Q3.どのようなことが理由で中京大学への進学を志願しましたか。
直接のきっかけは高校時代のソフトボール部の顧問の先生が後押ししてくださったからです。スポーツ実技型推薦入試で落ちた際、他の大学を受験しようか迷いましたが、その顧問の先生からもう一度中京大学を受験することを強く勧められ、ソフトボールと勉学を両立していたこともあり、一般入試で再度受験することを決めました。顧問の先生から中京大学のスポーツ施設が充実していることを聞いていましたし、大学の理念である文武両道の精神にも惹かれていたので、「この大学なら自分を高められる!」と決意を新たにし、必死で勉強しました。その結果、一般入試で合格できました。
Q4.中京大学のスポーツに関する教育・支援体制はいかがでしたか。
ソフトボール専用グラウンドがあり、いつでも練習できますし、学校の近くに寮があり、ソフトボールに打ち込むことができる環境です。また、それまで感覚でやっていた部分を言語化する「スポーツ心理学」など、競技力向上に繋がる授業が多いのもこの大学ならではだと思います。先生方はスポーツのトップレベルの方が集まっていますし、スポーツ科学部には幅広いスポーツに関わるスポーツ好きの学生が集まっています。そういった仲間たちと刺激し合い、時には助け合いながらそれぞれの目標に向かって取り組むことができるのもこの大学の魅力だと思います。
Q5学生生活で特に印象に残っているのはどんなことですか。
3年次と4年次のそれぞれ1カ月間ずつアフリカのボツワナでソフトボールを教えたJICA(国際協力機構)のボランティア活動が印象に残っています。私は人見知りしない性格ですし、新しいことにも興味があったので、「今まで暮らしたことがない場所で、今までしたことがないことにチャレンジしてみたい」という気持ちがありました。故郷を出てナイーブになったこともありますが、新しい環境の中でそれまでとは違う出会いがあったのもかけがえのない体験になりました。また、技術だけでなく、身体作りも大切だと気づくなど、スポーツに対する考え方も変わりました。4年間の生活全てが私を成長させてくれたと思います。
Q6.スポーツを続けてきた中で学べたことを教えてください。
スポーツで人に感動や希望を与えられることを学べたのも大学に入ってからです。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、スポーツを行えるのが当たり前ではないということを痛感した4年次に強くそれを感じました。今シーズンは練習できない日々が続き、大学最後の大会も半分以上が中止になりました。その中でソフトボールをプレイできる喜びや大会が開催させることの価値に気づけたのです。そして私たち選手が頑張ることが観戦する人に活力を与えられることを改めて認識できました。スポーツは人の心を動かすことのできる特別なものだと私は思います。
Q7.高瀬選手ならではのスランプ脱出方法はありますか。
スポーツを続けている中では思うようなプレーができなくて悩む時もあります。本来はできるはずなのに結果が付いてこない時はとても苦しいものです。うまくいかないことが続くと、次第に精神的に追い込まれていきます。私もそのような時期が何度かありました。そういった時はフッと力を抜いてみることも大事だと思います。そうすることで「頑張る方法はひとつではない」と思い直すことができ、新たな視野が開け、違うアプローチの仕方があることに気づけました。力み過ぎないことで再スタートの一歩目を踏み出せると思います。
Q8.中京大学への進学を考えている後輩の皆さんにアドバイスをください。
中京大学は様々な競技のトップを目指す学生が集まってくる大学です。彼ら彼女らと刺激を与え合いながら自分を高めることができますし、目標を高く持つことにより、世界で戦えるスポーツ選手に必要な素養のようなものを培うこともできると思います。大学生活は高校生の頃までと比べ、自分の時間を多く持つことができるので新しいことにたくさんチャレンジするのも良いと思います。ただ、その時間をどのように使うかが大切です。新しいことを始めたら、それを精一杯楽しむようにしてください。いろいろな人と交流することで視野を拡げ、感性を高めていってください。
Q9.最後に今後の抱負、将来の目標について教えてください。
なにか打ち込めるものがある人、それに打ち込ませていただける環境にいる人は幸せだと思います。私はソフトボールのトップチームである「日立サンディーバ」でプレーさせていただけることになりました。日本のトップ選手たちからたくさんのことを吸収し、更なるレベルアップに努めていきたいと思います。また、ソフトボールができることは当たり前のことではないことを忘れず、新たなステージで1から挑戦していきたいと思います。
2020年12月取材