中京大学  スポーツ科学部

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先輩の声

どん底を経験して、修正力やメンタルの保ち方を学べた。

山中 祥輝

Yamanaka Yoshiki

水泳
平泳ぎ

1994年
千葉県香取市市出身
2013年
私立成田高等学校卒業
2017年
中京大学スポーツ科学部卒業
2017年
株式会社ティラド入社
2017年
日本選手権 100m平泳ぎ 3位
2019年
社会人選手権 100m平泳ぎ1位(大会新記録)
徐々に勝ちへの意識が芽生えた中学から高校生時代

Q1.スポーツに関するバックグラウンドを教えてください。


水泳をはじめたのは3歳の時です。きっかけは兄がもともと近所のスイミングスクールに通っていたこと。私自身が水泳をやりたかったとかではなく、身体が丈夫になるからとかそういった一般的な理由で両親がスイミングスクールに通わせてくれました。最初は水に慣れるところからはじまり、泳ぐことを楽しむようになり、小学3年生の時に選手コースに選抜されました。それ以外のスポーツは特にやっておらず、体育の時間に運動する程度でした。そのスイミングスクールには中京大学に入学するまで通いました。



Q2.選手コースに選抜されてから水泳とどのように向き合ってきましたか。


選抜されたばかりの頃はまだ水泳選手になりたいとまでは考えていませんでした。仲が良かった友人が一緒に通っていたのでなんとなく楽しくて続けていたと思います。ただ、小学4年生の時にアテネオリンピックで北島康介選手が金メダルを獲得したことはよく覚えています。勝ちに対する思いが強くなったのは中学生になってからです。北京オリンピックが行われる頃には「もっと速くなりたい!」という思いに変わっていました。このオリンピックでは北島選手が100mと200mの平泳ぎで二冠を達成。それを見て「もっともっと上を目指したい!」と思いました。そして高校生の時ぐらいには「オリンピックに出たい」と考えるようになりました。

憧れていた大学の水泳部コーチからお誘いいただき、入学を決意

Q3.どのようなことが理由で中京大学への進学を志願しましたか。


進学先を迷っていた時、卒業後の現在も担当していただいている草薙健太コーチからお誘いをいただきました。2010年のインカレで中京大学の男子水泳部が総合優勝を果たした時、偶然テレビでそれを見たのです。その時から私の中で中京大学は憧れの学校になりましたが、まさかその大学の方からお誘いいただくなんて考えもしていませんでした。草薙コーチご自身も中京大学、そして中京大学大学院の出身です。その方から「いっしょにオリンピックを目指そう」と言っていただいたら、こんなにうれしいことはありません。ちょうどその頃、「オリンピックに出て活躍したい」と考えはじめていたので、すぐに中京大学に決めました。



Q4.中京大学が他校と比べて秀でているのはどのような点でしょうか。


スポーツ科学部では身体の構造や仕組みなどはもちろん、生理学的な面や栄養面、心理面など、多様な方向から人の身体や心とスポーツを関連付けて学べます。そういったことは全て競技に活かすことができますし、教員や指導者を目指す人にとってもどのようにコーチングをしていくかなどをじっくり学ぶことができます。スポーツについて学べる大学自体が少ないことに加え、こういった専門性は全国の大学の中でも特出していると思います。



Q5大学生活で印象に残っている出来事とその理由を教えてください。


やはりインカレを語らないわけにはいきません。1年生の時のインカレで男子水泳部が総合優勝を飾りました。しかし、私自身はその大会で力を発揮することができませんでした。総合優勝できたうれしさはもちろんありましたが、くやしさの方がずっと大きかったのを今でもよく覚えています。それまで私は自分自身のためだけに泳いできました。自分以外の人のために泳ぐことでいつも以上の力を出すことができるのを学べたのはこの試合を経験したからだと思います。

スポーツを通じて生涯に渡って役立つ力を身に付ける

Q6.スポーツを続けてきた中で培えたことを教えてください。


忍耐力を培うことができたと考えています。競技をしていると調子が良い時もそうでない時もあります。調子良くない時に投げ出してしまうのではなく耐えること。それを何度も経験することで忍耐力が培われていきます。また、スポーツを続けていたからこそ知り合えた良き仲間やライバルたちも貴重な存在です。フィットネスプラザや体育館など、中京大学には充実した設備が揃っています。水泳部で言えば、長水路と短水路両方のプールがありますし、自分の泳ぎを撮影して泳法を研究できる流水プールもあります。思う存分トレーニングできるこの環境の中で仲間と過ごした4年間は一生の財産です。



Q7.山中選手ならではのスランプ脱出方法はありますか。


私の場合は敢えて深く考え過ぎないようにし、競技を楽しむようにしています。考えても改善しないことを考え過ぎて悩んでいても仕方がありません。普段通りにしっかりと練習に取り組むだけです。実は私は難病に指定されている潰瘍性大腸炎という病気を抱えています。スランプよりも、泳ぐことができなくなり、夢をあきらめそうになったその経験の方が私にとっては大きな出来事でした。一度どん底を経験し、そこから這い上がってくることで精神的な強さを身に付けることができましたし、練習方法の修正力であったりメンタルの保ち方も学ぶことができました。これらは社会に出てからも必ず役に立つと思います。


中京大学を目指す高校生の皆さんに向けて

Q8.卒業した先輩から後輩の皆さんへのアドバイスをください。


充実した設備や施設はもちろん、自分の競技に活かすことができる授業も中京大学の学びの特徴です。また、日本や世界で活躍されているOBやOGの方も多く、貴重な体験談やアドバイスを聞くこともできます。やる気次第で充実した学生生活であったり競技生活であったりを送ることができるのです。漠然と4年間を過ごすのではなく、いろいろな方々に積極的に話し掛け、様々なことを吸収していってください。そうすれば大学を卒業した後の人生も、より充実するのではないかと思います。



Q9.今後の抱負や将来の目標を教えてください。


泳ぐことができなくなり、夢もあきらめそうになった時期がありましたが、そこから復帰した現在、競泳人生で一番トレーニングに集中できていますし、気持ちも充実しています。私の課題はラスト25mで失速すること。ウエイトトレーニングを効果的に行い、筋持久力を高め、得意の前半に磨きを掛けていきたいです。2020年に東京オリンピックが開催されます。このオリンピックに出場するだけではなく、メダルを獲得するのが目標です。


2019年12月取材