周りの方々への感謝を忘れず、結果を残すことで恩返ししたい。
岩本 憧子
Iwamoto Ako
モーグル競技
- 1993年
- 大阪府和泉市出身
- 2012年
- 全日本スキー選手権 モーグル4位入賞 デュアルモーグル2位入賞
- 2013年
- ワールドカップ猪苗代大会 モーグル9位入賞
- 2013年
- FISフリースタイルスキージュニア世界選手権 モーグル7位入賞 デュアルモーグル4位入賞
- 2014年
- 全日本スキー選手権 モーグル4位入賞 デュアルモーグル優勝
- 2015年
- 全日本スキー選手権 モーグル5位入賞 デュアルモーグル3位入賞
Q1.モーグルをはじめたきっかけや幼少期の思い出を教えてください。
小学4年生の時に長野県の白馬村に引っ越したことがきっかけです。それまでも家族旅行などでスキーは経験していましたが、白馬村のスキー場で初めてモーグル選手といっしょに滑る機会があり、5年生の時にモーグルの選手になることを決心しました。長野県スキー連盟の合宿に参加させていただいた時など、オリンピックやワールドカップに参戦した経験を持つトップ選手と触れ合う機会もあったため、中学生に上がる頃には漠然とオリンピックに出場することを夢みるようになっていました。
Q2.どのような思いで競技と向き合ってきましたか。
モーグルを続けたいということはずっと思っていましたが、中学時代は陸上部に所属していました。スキー部はあったもののモーグルというカテゴリーの部はなかったのです。しかし生活の中心はあくまでモーグルでした。印象に残っているのは2014年の全日本選手権です。地元の白馬村が会場だったため家族やたくさんの知り合いが応援に駆けつけてくれ、また、上村愛子さんの引退試合ということもあり、多くのファンのみなさんやメディアの方々も来ていました。その中で優勝できたことはすごくうれしかったですし、自信にもなりました。
Q3.中京大学を選んだきっかけを教えてください。
中学3年生の頃には既に良い環境でモーグルを続けることができる大学で学びたいと考えていました。その当時、中京大学には伊藤あづささんや伊藤みきさんといったトップ選手が在学していたため、モーグルをするならこの大学だと思っていましたし、高校入試の面接で「高校卒業後は中京大学に進学したい」と言ったことを今でも覚えています。トレーニング施設が充実していることも聞いていましたし、中京大学でモーグルをしている先輩も何人かいました。先輩方から刺激を受け、自分も成長したいと考え、高校3年生の時に本格的に中京大学への進学を志願しました。
Q4.中京大学のスポーツに関するバックアップ体制は。
ウインタースポーツはオフシーズンが長く、トレーニングも辛いものが多いのですが、部の仲間と励まし合い、乗り越えることができました。また、中京大学にはそれぞれの部活に適した施設が整っています。白馬村には中京大学が持つウォータージャンプ施設もあります。オフシーズンの練習に不可欠なこの施設は私の競技生活においてとてもプラスになりました。また、フィットネスプラザにはフリーウエイトのラックがたくさんあります。バイクやランニングマシン、さらに鏡のあるスタジオもあり、アジリティーなどのメニューもそこで経験することができました。
Q5他の競技のトップ選手から学ぶことはありますか。
もちろんあります。たくさんの部活がある中京大学にはいろいろな競技のトップ選手が集まってきています。他の競技をしている選手たちとの交流は刺激になるだけでなく、視野を広げるきっかけにもなります。また、フィギュアスケートの授業など、中京大学ならではのスポーツ実技の時間も多くあります。自分がやっている競技以外のスポーツを経験することにより、競技時の動きの幅も広がると思います。また、そういったいろいろなスポーツ実技が経験できるのもそれぞれの競技施設が充実しているためだと思います。
Q6.スポーツを続けてきた中で得たものについて教えてください。
モーグルを12年間続ける中で集中力や忍耐力を培うことができました。技術面での練習においてもオフシーズンのトレーニングにおいても集中力や忍耐力は必要不可欠です。集中している時としていない時とではトレーニングの質が全然変わってきます。また、どれだけ集中してトレーニングに取り組めるかが試合時にベストパフォーマンスを引き出せるか否かに直結するのではないかと思っています。身につけることができたこれらは今後の人生のどの場面でも必要となる非常に大切なことばかりだと考えています。
Q7.スランプに陥った時に抜け出す方法は。
私の場合は、まず初心に戻り、「モーグルを楽しむ!」という気持ちに切り替えることが大事だと思っています。スランプになるとどうしても視野が狭くなり、自分を追い込み、良くないところにしか目がいかなくなる傾向にあります。実際にはそんなに悪くなくても悪いと思い込んでしまうのです。そういった時は「モーグルは楽しい!」というこの競技をはじめた原点に立ち返り、視野を広げるようにしています。そしてスランプに陥った理由を客観的に分析するようにしています。
Q8.有意義な4年間を過ごすためにはなにが大切でしょうか。
中京大学ではたくさんのスポーツのプロフェッショナルの方々に出会えます。そういった方との出会いを大切にし、「なんでも吸収しよう」と自分から挑戦していくことでかけがえのない4年間を過ごすためのきっかけになると思います。1日1日を無駄に過ごすことなく全力で過ごしてください。そんな毎日を繰り返すことにより、きっと卒業する頃にはとても成長し、誇れる自分になっていると思います。もちろん、友達や部活動の仲間と過ごす時間は忘れられない思い出になります。
Q9.今後の抱負、将来の目標を教えてください。
オリンピックに出場し、メダルを獲得することが一番の目標です。2018年の平昌オリンピックに向け、ワールドカップや世界選手権で好成績を残し、自信を積み上げていきたいです。また、1本でも多く自分の納得いく滑りをすることを心掛け、良い滑りができたのであれば次はそれをさらに越える良い滑りをしていきたいと考えています。現在はとても良い環境で競技を続けられています。この環境を作って下さった周りの方々への感謝の気持ちを忘れず、しっかりと結果を残すことで恩返ししていきたいです。
2016年1月取材