中京大学  スポーツ科学部

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先輩の声

たとえスランプに陥っても くよくよ悩んだりしない!

寺本 明日香

Teramoto Asuka

体操競技

1995年
愛知県小牧市出身
2010年
アジアジュニア国際大会(幕張)団体優勝、段違い平行棒2位、平均台2位
2010年
イタリア ベネチア国際大会ジュニアの部団体3位、個人8位 NHK杯9位
2012年
ロンドンオリンピック個人総合11位
2013年
ワールドカップ・東京大会個人総合1位、NHK杯個人総合1位
世界で戦う競技者の幼少時代

Q1.体操をはじめたきっかけや小中学生時代の思い出を教えてください


小学1年生の時に公園の鉄棒で遊んでいて、「いろいろな技ができたらもっと楽しいのに」と考えたのが体操をはじめたきっかけです。小学生の時は目標や大きな夢はなく、中学生の時もそれほど自主的に頑張っていたわけではないのですが、ライバルが現れるとともに「負けたくない!」という気持ちが芽生えはじめ、全国大会や国際大会を経験するごとに「もっと上達したい!」と考えるようになっていきました。



Q2.高校生の時はどう体操と向き合ってきましたか。


高校1年生の時に東京世界選手権大会の日本代表に選ばれました。また、2年生の時にはロンドンオリンピックに出場しました。これらの経験を通じて、「日本の体操界を牽引していけるような存在になりたい」と意識するようになりました。左足首の靭帯を損傷するなど、高校時代は大きな怪我も多かったのですが、「絶対治してまた体操を頑張る!」という気持ちが強く、体操に対して前向きになっていました。このように高校時代は「体操が楽しい!」という気持ちが強かったのを覚えています。

世界の頂点を狙うために中京大学を志願

Q3.中京大学を選んだきっかけを教えてください。


他の大学に進むということは、今まで体操の指導をしてくださっていたコーチの元を離れるということ。私の性格など、全てを知って指導してくださったコーチの元を離れるのは不安が大きかったですし、中京大学の体操部には中学時代や高校時代からいっしょに頑張ってきた先輩や仲間が多く所属しています。「このチームでインカレや全日本の団体に出場し、メダルを狙いたい!」と考え、中京大学への進学を希望しました。



Q4.中京大学のスポーツに関するバックアップ体制は。


トレーニング施設が充実しているだけでなく、怪我をした時に治療を受けることができる保健センターなど、アスリートに欠かせない環境が整っています。また、陸上競技やスケートなど、様々な競技のトップアスリートがこの学校に通っています。いろいろな分野で活躍している人たちと授業や休み時間にコミュニケーションを取る中でそれぞれのスポーツの良い部分や大変さについて触れられるのは貴重な時間。その情報を体操でも活用するようにしています。

スポーツを通じて学んだこと、スランプ脱出の方法

Q5.キャリアの中で最大のトピックは。


初めて世界選手権に出場した高校1年の時の東京世界選手権が一番印象深いです。次の年に行われるロンドンオリンピックの出場権が掛かったこの大会で私は跳馬の演技をしない予定だったのですが、メンバーの一人が怪我をし、急遽代役で出場することになりました。アップもしていない状態でしたが演技を無事成功させることができ、その後の段違い平行棒ではチーム全員がノーミスで着地を決め、オリンピックへの出場権を勝ち獲りました。あの試合の感動は今でも鮮明に覚えています。



Q6.スポーツを通じて培えたことを教えてください。


集中力がついたことです。試合に入る直前などは特に集中力が必要ですが、自然な気持ちで集中できるようになったと思います。また、体操以外のスポーツをする場合も、どう身体を動かせば上手にできるかなど、だいたいの動きが想像できるようになりました。「いっしょに頑張ってチームを支えたい」と思える仲間ができたことも体操を続けてきたからだと思います。



Q7.スランプに陥った時に抜け出す方法は。


私が一番怖いと考えるのは良い成績をおさめた後です。次の試合ではさらに良い成績を残さなければダメだというプレッシャーが出てきて、練習でうまくいかないことがあると不安になり、悪循環に陥ります。そんな時、私は心の状態をオフにするように心掛けています。体操とは全く関係のないことをして、「また頑張ろう!」という気になるまでじっと待つのです。少し力が出てきたら体操の動画を見たり試合会場に足を運んでみたりして、いざ「体操をやりたい!」と思えるようになったらその時に気合を入れて再スタートするようにしています。

中京大学を目指す高校生の皆さんに向けて

Q8.大学に進学するとどんなことが得られますか。


高校生までとは違い、大学生は自立しているわけですから、自分がやりたいことや自分が勉強したいことにどんどんチャレンジできる立場です。しかし、だからこそ自分自身で考え、自分から積極的に行動していかないとどんどん周りに置いていかれます。中京大学は特にそういったことに対するサポートが手厚い学校ですからどんどんチャレンジするべきだと思います。ここで学ぶことやスポーツをすることは人生にとって必ず役に立ちます。



Q9.今後の抱負、将来の目標を教えてください。


今年はリオデジャネイロオリンピックの出場権が掛かった世界選手権が行われる年です。現在の体操界は世代交代の時期。今までは下の存在だった私が今度はチームを引っ張っていく存在にならなければなりません。自分の演技を頑張るのはもちろんですが、チームをしっかりと牽引し、チーム全体で良い練習や試合を行い、しっかりとした成績を残すことができる、そんな存在になれるよう頑張りたいです。



2015年2月取材