世界を意識できる環境が人として成長させてくれる。
桑井 亜乃
Kuwai Ano
女子ラグビーフットボール
- 1989年
- 北海道中川郡幕別町出身
- 2006年
- 国体陸上競技円盤投げ5位入賞
- 2012年
- ラグビーをはじめる
- 2013年
- ARUKAS QUEEN KUMAGAYA加入
- 2014年
- アジア大会7人制女子ラグビー日本代表チーム
- 2015年
- リオ・デ・ジャネイロオリンピックアジア予選7人制女子ラグビー日本代表チーム
- 2016年
- リオ・デ・ジャネイロオリンピック7人制女子ラグビー日本代表チーム
Q1.ラグビーを含めてスポーツとの関わりを教えてください。
高校1年生の時から中京大学を卒業するまでは陸上競技の円盤投げをやっていました。ラグビーを始めたのは大学卒業後です。大学の授業でラグビーというスポーツを初めて経験し、「楽しい!」と感じたこと、大学2年生の時に2016年のリオデジャネイロオリンピックで7人制ラグビーが正式種目に採用されるのを知ったこと、先生から転向を勧められたことがきっかけとなり、円盤投げをやりきって大学を卒業してからラグビーにチャレンジしようと決めました。
Q2.どのような思いでスポーツと向き合ってきましたか。
陸上競技は小学生の頃から大学まで様々な種目をやってきましたし、小学校から高校まではアイスホッケーもやっていました。世界をイメージするようになったのは小学生の頃のことです。オリンピック選手の活躍をテレビで見て、「私もオリンピックに出たい」と周囲に話すようになりました。やるからには上を目指していましたし、「まずは日本でトップに立ちたい」に考えるようになり、頑張った結果、高校2年生の時に出場した国体の円盤投げで5位に入賞することができました。それがきっかけで中京大学を志願するようになり、中京大学に進学したことがラグビーをやることに繋がったと思っています。
Q3.高校時代は中京大学にどのような印象を持っていましたか。
私にとって中京大学は憧れの学校でした。中京大学は陸上競技が強いことで有名ですし、体育学部があるのも魅力でした。国体で5位に入賞できた時、「スポーツで有名な中京大学に入りたい」と心に決めました。「成長できそう」と考えたのも志望した理由のひとつです。その想像通り、中京大学はスポーツを志す者にとって理想の大学でした。様々な競技の世界でトップクラスの成績をおさめている方々が在籍しているので、「世界」というものを身近に感じることができましたし、自分自身の身体についての理解を深め、競技に役に立てることもできました。充実した4年間だったと思います。
Q4.中京大学のスポーツに関するバックアップ体制は?
施設は最高レベルだと思います。陸上競技場やサッカー場、ラグビー場、複数の体育館、プールやスケートリンクなど、こんなに施設が充実している大学は他にないと思います。また、授業も興味があるものばかりでした。授業中にわからないことがあった時は後で教授室に行き、わかるまで教えていただけました。部活動の面でも最高のコーチに教えていただけましたし、好きな時間に練習ができました。フィットネスジムがしっかり管理されており、自由に使わせていただけるのもこの大学ならではだと思います。
Q5スポーツ以外に中京大学が他校と比べて秀でている点はありますか。
この大学には夢があると思います。将来やりたいこと、なりたい人物像が大学生活の中で明確になってくるのです。「体育の先生になりたい」と考えて中京大学に入学してくる学生が多いと思いますし、私も最初はそうでした。しかし、この大学に在籍し、スポーツの世界で活躍している方たちと接しているうちに、すぐに世界を意識するようになり、その中で他にやりたいことが見つかりました。また、先生や職員の方のサポートも充実しています。アドバイスを求めたい時、身近に頼りになる方がいるという点が私にとっては心強かったです。
Q6.スポーツを続けてきた中で得たものや培えたことは?
競技をする上で勝ち負けは欠かせないものですが、私がそれよりも大切だと考えているのは友だちや仲間、先生やコーチの方々との絆です。陸上競技は個人競技ですが、4年間の大学生活の中で出会ったたくさんの方々に助けていただいたおかげで真剣に競技と向き合えたと感謝しています。一緒にトレーニングをしてくれる仲間もいましたし、記録が伸びず、悩んでいる時にマンツーマンで教えていただいたコーチの方もいます。分かりやすく授業を進めてくださる先生もいましたし、友だちとワイワイ騒ぎながら勉強も頑張りました。学生生活を通じて出会えた人全てが私の財産です。
Q7.逆境を跳ねのけた経験があれば教えてください。
円盤投げでなかなか記録が伸びない時、先生から「目先の試合ばかり見ているから同じぐらいの記録しか出ないんだ。もっと先まで想定していろいろチャレンジしてみろ」というアドバイスをいただきました。ラグビーを始めた時に、ふとその言葉を思い出しました。北海道に帰って体育教師になるのではなく、ラグビーという未知の世界にチャレンジすることを選択したのを思い出したのです。「ラグビーでオリンピックに出る!」と決意した自分自身の夢を再確認することができました。
Q8.将来に繋がる学生生活の送り方について教えてください。
中京大学はたくさんの可能性を見つけることができる学校です。私自身もこの大学でいろいろな人と出会い、そういった方たちと触れ合い、話をする中で現在の自分に繋がる多くのことを経験できました。皆さんも在学中にできるだけいろいろなことにチャレンジしてみてください。その中で自分の適性を確認し、自分に合った仕事を見つけることができると思います。私は頑張る中京大学の後輩を応援しています。
Q9.ラグビーを通じて学んだことや今後の目標は?
リオデジャネイロオリンピックに出場した7人制女子ラグビーの日本代表チーム「サクラセブンズ」のメンバーとは年間200日以上を一緒に過ごし、普段の生活の中で良いと感じる部分を練習や試合に活かすことができました。また、オリンピックを経験できたことで新たな課題も明確になりました。目標はこれからも変わらず、世界のトップ! 現在所属している「ARUKAS QUEEN KUMAGAYA」も世界一のクラブチームを目指しています。「サクラセブンズ」で学んだこと、「ARUKAS QUEEN KUMAGAYA」の活動で日々感じていることを大切に東京オリンピックへの出場も目指していきます。
2016年12月取材