中京大学  スポーツ科学部

Professors

教員紹介

Raita Kyoko

スポーツ教育学科

來田 享子 教授

最終学歴・学位
中京大学大学院体育学研究科博士後期課程
専攻分野
体育・スポーツ史、スポーツとジェンダー
担当科目
体育・スポーツ史
学外活動
日本学術会議第24-26期連携会員、(一社)日本体育・スポーツ・健康学会会長(2023-2024期、2025-2026期)、日本スポーツとジェンダー学会会長、愛知県スポーツ推進会議会長、(公財)日本オリンピック委員会理事、(公財)日本陸上競技連盟常務理事、(公財)スペシャルオリンピックス日本理事、(公財)愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会理事、(公財)東京2025世界陸上財団理事、(公財)東海ジェンダー研究所評議員、(公財)日本スポーツ協会スポーツ医・科学委員会委員、(一社)日本ボッチャ協会理事など
部活動
体育会スキー競技部・部長

研究・ゼミについて

19世紀末以降の近代スポーツの発展に大きな影響を与えたオリンピック・ムーブメントの歴史について研究しています。オリンピックの過去約130年間の歴史には、その時代ごとの課題や困難さに向き合った人々の成功や失敗の経験が詰まっています。勝利する選手たちの姿は華やかですが、その影には、オリンピックに出場することができなかった人々や差別を受ける人々の姿もあります。ジェンダーやスポーツの社会的な環境の観点から国内外の史料や地域や国、スポーツ団体の政策を分析しています。また、世界の動きが日本のスポーツ界にどのように影響を与え、また日本のスポーツが世界にどのように貢献することができるのかにも関心があります。歴史的な研究で得たことをベースに、多様な人々のスポーツの権利を保障するための環境づくりやスポーツが変わるべき点について考えています。
ゼミでは「調べる」「まとめる」「伝える」という3つのスキルを身につけることを意識しながら、オリンピックやスポーツの歴史に関心がある学生たちと研究活動を進め、特に教員志望の学生たちと共に、スポーツミュージアムでの教育実践活動なども実施しています。

学外活動について

学外活動は、体育・スポーツ科学系の学会の運営に携わることが中心です。また、日本オリンピック委員会、日本陸上競技連盟、日本スポーツ協会などスポーツ団体に関わる活動では、性別、性自認、性的指向、障害、人種、文化、経済的な状況の違いにかかわらず、すべての人の人権が尊重されるより良いスポーツ環境の構築をめざしています。
自分自身の研究テーマとリンクする活動としては、スポーツ・ミュージアムの重要性に着目し、国内外のスポーツ博物館、オリンピックミュージアムとの連携があります。中京大学には、他大学にはない教育研究施設としてスポーツミュージアムがあります。このミュージアムはスポーツが社会に与える影響、スポーツが社会から受ける影響の光と影を描き、スポーツの価値を探し続け、未来に継承する目的で調査研究と展示を行っています。本学の建学の精神「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」に示された学術とスポーツが融合する場になっていますので、ぜひ来館してください。

在学生へメッセージ

競技成績だけでなく、スポーツに取り組む人の人間的価値は、子どもたちの未来のモデルにもなります。オリンピックの創始者であるピエール・ド・クーベルタンは「競技によって、物事を分析的に捉えること、批判的に思考すること、自己をコントロールすること、計画的な努力やエネルギーの消費の仕方、実際に行動すること、失敗を次に活かすこと、を学ぶことができる」と考えていました。スポーツと学問には共通点があります。オリンピックやパラリンピックのような国際的なスポーツイベントは、勝利至上主義や商業主義を助長すると指摘される一方で、取り組み方次第では、差別の解消や社会的弱者への支援、人々の連帯や協働を促す役割を果たします。目の前の自分自身のスポーツ活動は、スポーツを愛した過去の人々とつながっていること、スポーツを愛する世界の人々ともつながっていることを感じながら、スポーツ科学を学んでください。スポーツ科学は、人文・社会科学系から自然科学系まで、幅広い分野のある学問です。視野を広げ、様々な挑戦ができる学問であることの利点をぜひ活かしてください。